高校訪問 [コラム]
わたしは自分の仕事柄、県内外の公立私立を問わずいろいろな高等学校を訪問する機会に恵まれている。
もちろん、高校訪問の最大の目的は高校の先生方に本学の概要について詳しく知っていただき、本学に学びの場を求め本学から社会で活躍する人材を広く求めたいがためである。
その訪問目的とは別に
訪問する高校がだんだん近づくにつれ、学校に続く路や民家、路脇の木々草花などの自然が描きだしたデッサンとそこに校門が組み合わさった瞬間に、わたしの目にはその学校の歴史の色彩が出現するのである。
ご存知の通り、
現在の学校の中でもその生い立ちの古いものは江戸時代の寺子屋から優に百数十年を超えるところもあるし、
逆に近年開校したばかりのいかにも近代デザイン的でこれが学校なのかと驚くところもある。
わたしは校門を通るとき、
できるだけキョロキョロしないように、ワクワクする気持をなだめるように周囲を観察しながら歩く。
その学校を包んでいる色彩は
ある時は懐かしいような匂いのセピア色だったり、
ある時は青春時代のウキウキとした軽やかなパステルカラーをイメージさせるのである。
さらには、
玄関の多分理念を表した額、
表彰状、
下足箱、
廊下に掲示された生徒たちの絵や書、
クラブ活動の連絡文
などなど、
校舎内のありとあらゆるものがワクワクさせてくれるのだが、
その色彩は、間違いなく校門を通ったときの色彩なのである。
そして、
校舎内を吹き抜ける爽やかな風とともに
校庭からの聞こえる声、
すれちがう生徒達の明るい挨拶、
教室から聞こえる先生の声に
その学校のその色彩が最も強く表現され描かれているのを感じるのである。
わたしはこれからも多くの高校に訪問すると思うが、
次はどんな色彩を感じとることができるのだろうかと。
あるいは新しい色に染め直した学校もあるかもしれない。
そんなことを想いながらも、
来年、愛知医療学院短期大学の校門をくぐる君に、
本学は明るい未来を期待できる色彩をイメージさせる大学でありたい
と思うのである。
入試広報室 東郷 憲二郎